本当は、きれいなピンク色の背景に中学生の少女がたたずんでいる絵が描かれた表紙なんですが、またしても画像が出ませんのでスミマセン
タイトル:『リボン』
著者:草野たき
出版社:ポプラ社
出版年:2007
価格:1300円(+税)
NDC:913 です。
中学3年生の少女の、揺れ動く1年間を描いた作品です。
もとは進研ゼミ(ベネッセコーポレーション)の「中3チャレンジ組」の2003年3月号〜2004年3月号に連載されていたもの。それを加筆・訂正して出版された本です。
主人公の松野亜樹は卓球部に入っています。
卓球部では卒業式に先輩から制服のリボン

をもらうという伝統がありました。
亜樹たちが中2のときの卒業式。一番人気の金田先輩のリボンをみんなほしがります。卓球部で一番人気がある先輩とは、卓球がうまい先輩よりも何より
彼氏持ちの先輩なのです。金田先輩には高校生の彼氏がいて、後輩達の憧れの的でした。
しかし、金田先輩からリボンをもらうのは他の子に決まってしまい、亜樹は池橋先輩からもらうことになりました。池橋先輩、というのは試合ではいつも勝てないし、彼氏もいない先輩です。それでも、前もって部内で打ち合わせがしてあって、誰が誰からもらうか決めてあるので、亜樹は別に尊敬もしていない先輩に「尊敬している池橋先輩のリボンがほしいんです」とか言ってリボンをもらおうとするのですが・・・
「っていうかヤダ」「だって、松野さんがわたしのリボンをほしがるとは思えないもん。しかも、尊敬してるなんてありえないよ」―― 池橋先輩はあっさりそう言い放ち、亜樹の前から去ってゆくのでした。フクザツな気持ちになる亜樹。
そして、4月。ついに亜樹たちは3年生に。
もともと波風を立てるのが苦手な亜樹は、友だちのことも部活のことも勉強のことも家族のことも、いまいち完全燃焼しきれないまま日々を過ごします。
友だちのことでは藤本さんという子といつも一緒に過ごしますが、特に親しくなるというでもなく、本当にただ一緒にいるだけ。他の子からは「藤本さんと一緒にいて楽しいの?」と聞かれる始末です。
部活のことでは一緒にダブルスを組んでいた美佳から一方的にペアを解消されてしまいます。
勉強面ではテストでいい点が取れず、行きたい高校もはっきりしない。
家族のことでは、自分とはまったくタイプが異なり頭がよく自由奔放な姉の存在に戸惑ったり、自分に似ていて優柔不断な母の態度にイライラさせられたり・・・
モヤモヤとした気持ちを抱えながら、何とかしたいと思いながら、ただ流されてしまう毎日

そんな亜樹ですが、それでも日々のちょっとした出来事の中から少しずつ何かを感じ取ってゆきます。そして、ほんのちょっとずつですが変わってゆくのでした。
やがて1年がたち、3月の卒業式を迎えます。
亜樹のリボンをほしがる後輩たちは現れるのでしょうか?
中学生の少女の1年間を月ごとに描いてゆく形式は、以前紹介した小林深雪さんの「泣いちゃいそうだよ」シリーズと似ていると思いました。あちらの方はちょっぴりコメディタッチですが、こちらはしっとりと落ち着いた雰囲気です。中3の揺れ動く気持ちがとてもリアルに描かれた好著です。
それにしても、部活って中学生にとってとっても大きな意味を持ってるんですね

中学生女子にはぜひぜひオススメしたい1冊です